無酸素運動とは

無酸素運動とは

 



スポーツジムで無酸素運動の筋力トレーニングをする女性の写真。
 短距離走、投擲(とうてき)、相撲などの競技や、バーベルなどを使った筋力トレーニングなど短時間に強い力を発揮する運動を無酸素運動といいます。無酸素運動とは運動中に呼吸をしていないということではありません。筋を収縮させるためのエネルギーを、酸素を使わずに作り出すことからこのように呼ばれています。

 筋を収縮させるための直接的なエネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP)です。安静時から筋にはATPが蓄えられており急な運動時にすぐに使えるようになっていますが、蓄えられている量には限りがあるためすぐに枯渇してしまいます。

 運動を続けるためには、筋肉中のグリコーゲンや血液や肝臓に蓄えられたブドウ糖をエネルギー源に、新たにATPを作り出します。取り込まれる酸素の量が不足している状態でもATPを作り出すことができますが、ATPを作り出す過程で同時に乳酸が生じます。このように作り出されたATPを利用して運動をすることを無酸素運動といいます。

 高強度の無酸素運動を持続できる時間は1~3分程度で、さらに運動を続ける場合には十分な酸素が必要となります。

 

無酸素運動の効果
 無酸素運動は短時間しか継続することができませんが、大きな力の発揮や速い運動を行うことができるため筋線維の中でも特に速筋(タイプⅡ線維、白筋)が使われます。速筋は速い速度で強い力を出すことができますが、酸素を利用したエネルギー生産能力やATP利用効率は低いことが特徴です。

 速筋は加齢にともない萎縮しやすいことも特徴のひとつですが、速筋は無酸素運動の際に働くため、無酸素運動を行うことで年齢に関係なく速筋の筋量・筋力を高めることができます。速筋の筋量・筋力と、障害の有無や転倒リスクには関連があることが明らかになっているため、健康や体力の維持のために無酸素運動は欠かせない運動といえます。

無酸素運動の種類
無酸素運動の筋力トレーニングを行う女性の写真。無酸素運動とは、短時間に強い力を発揮する運動。無酸素運動の種類の中で代表例は筋力トレーニングである。無酸素運動を行うことで筋量・筋力を高める効果がある。
 無酸素運動とは、大きなパワーで比較的短時間で行う運動を指します。短距離走中距離走、投擲、重量挙げなど様々です。

 代表的な無酸素運動レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)があります。レジスタンストレーニング無酸素運動ととらえてもほとんど間違いではありません。レジスタンストレーニングでは筋力、筋パワー、筋肥大、筋持久力を高めることができます。目的に合わせて負荷、回数、休息時間を適切に設定することでトレーニング効果を高めることができます